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rapanse’s diary

ポストモダンの視点で絵画を楽しみ、沖縄のシマ社会と芸能を楽しむ

油彩技法に革新をもたらせたヤン・ファン・エイク

ヤン・ファン・エイク( Jan van Eyck、1395年頃 - 1441年)は、それまでおこなわれていた油彩画法を改良し、細密な描写と鮮やかな着彩法を確立し、絵画史上に大きな革新をもたらした。

ヤン・ファン・エイクの革命的ともいえる油彩技法の刷新は伝説となり、ファン・エイクが油絵具を発明したといわれるようになった。

イタリアにこの油彩技法が伝わるのは15世紀後半のことであり、ファン・エイクの油彩技法を取り入れることによって、イタリアは盛期ルネサンス(1450年‐1527年)を迎えることになる。

ファン・エイクがどこで生まれたのかはわかっていない。1425年ごろにブルッヘ(現在のベルギーの都市)へと移住したヤン・ファン・エイクは、ブルゴーニュ侯フィリップ善良公に認められ、宮廷画家、外交官としてその宮廷に仕え、生涯にわたってフィリップ善良公の寵愛を受けた。

ヤン・ファン・エイクの自画像とみなされているのが次の絵だ。

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ヤン・ファン・エイク作《ターバンの男の肖像》 (1433年)ナショナル・ギャラリー(ロンドン)

自信にみちあふれた表情と目尻の皺など、当時の肖像画ではありえないほどの写実性が示されている。

次は、描かれた当初から名画として名声を博していた《アルノルフィニ夫妻の肖像》だ。この絵には、信じられいないほど精密な技法がこらされている。

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ヤン・ファン・エイク作《アルノルフィーニ夫婦 》(1434年)ナショナル・ギャラリー(ロンドン)

モデルはイタリア出身の銀行家で、フィリップ善良公に仕えたジョヴァンニ・アルノルフィーニと、その婚約者ジョヴァンナ・チェナーミ。二人の結婚の立会い者として、画家自身が中央の鏡の中に描かれている。

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画面中央の鏡の上には「ヤン・ファン・エイクここにありき 1434年」と画家のサインが記されている。サイン下部の鏡の周囲には、キリストの十字架の道行き(キリストの受難)の10場面が描かれている。細密な描写の極致ともいうべきものだろう。

婚約者のお腹が膨れているのは、妊娠したためではない。球根のような女体美をあらわしているのだ。

(続く)