rapanse’s diary

ポストモダンの視点で絵画を楽しみ、沖縄のシマ社会と芸能を楽しむ

ラファエロを知るために――《ソロモンの審判》《アダムとイヴ》

ラファエロ・サンティ(1483-1520)は37歳で亡くなるまでに、信じられないほど多量の作品を残した。下の自画像は、23歳のラファエロとみられているものだ。

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ラファエロ作《自画像》(1506年)、ウフィツィ美術館

憂いを帯びた顔だが、目の鋭さには格別なものがある。

この天才を理解するために、バーチャルにバチカン宮殿の「署名の間」を訪ねてみよう。「署名の間」は「ラファエロの間」とも呼ばれ、四面の壁や天井までもが、ラファエロの作品で埋め尽くされている。

3枚の写真のうち1枚目と2枚目が壁画だ。

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バチカン宮殿「署名の間」(ラファエロの間)

3枚目は天井画だ。次のような作品群が描かれている。

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バチカン宮殿「署名の間」の天井に描かれたラファエロの作品群。

今回は天井画のうちの2枚だけを見てみたい。天井画は1509-1511年作とされている。

1枚目は《ソロモンの審判》だ。

二人の女が子供を産んだ。しかし、赤ん坊の一人が死んでしまう。その子の母親が、もう一人の赤ん坊を自分の子だと言い張った。二人はソロモンの前に行き、どちらの子か決めてもらうことにした。ソロモンは刀を用意させ、二人のために、この子を二つに切り裂こうとした。そのとき、一人の女が叫んだ。この子はあの女にやってもかまわないから、殺さないでください。本当の母親が判明した。

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ラファエロ作《ソロモンの審判》

子どもを二つに切り裂こうとする緊迫の瞬間が描かれている。死刑執行人をとどめようとする母親の表情と仕草が生々しい。

次の絵は《アダムとイヴ》だ。

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ラファエロ作《アダムとイヴ》

この絵では、イヴが、アダムを悪の道へ誘惑する女として描かれていない。アダムの顔はイヴではなく、悪魔に向いている。アダムはイヴに騙されるような無知で無垢な男ではない。禁断の木の実を食べるさいに、イヴと共犯関係にあることがわかる。

ラファエロの描くイヴは、罪の女ではない。