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rapanse’s diary

ポストモダンの視点で絵画を楽しみ、沖縄のシマ社会と芸能を楽しむ

《盲目のハーディー・ガーディー弾き》

辻音楽師

下の絵は、ダビッド・フィンクボーンズという画家の絵だ。この画家についてのくわしいことは、ぼくにはわからない。フランドル地方の画家で、1576年にメヘレン(現在はベルギーの都市)という都市で生まれ、1633年にアムステルダム(現在のオランダの首都)で亡くなっている。

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絵のタイトルは《盲目のハーディー・ガーディー弾き》(個人所蔵)というもので、1607年の作とされている。

ハーディ・ガーディという楽器は一種の機械仕掛けのバイオリンで、バグパイプと並んでヨーロッパの民族音楽で使用されることが多いものらしい。三人の辻音楽師が描かれているが、その先頭に立つ男の持っている楽器がハーディー・ガーディーである。

男は窓辺で演奏し、喜捨を要求する。このような放浪する芸人たちは、異界に属するものであった。異界に属するものは喜捨を要求する権利があった。彼らは現世における神の化身でもあったからである。

この絵では、辻音楽師たちはまだ施しを乞うてはいない。もう少し時代が経つと、彼らの姿は絵画で描かれることは少なくなる。しかし、この絵の中の辻音楽師たちは、まだ施しを乞うのではなく、喜捨を要求しているように見える。

子どもたちが彼らを取り囲んでいる。辻音楽師たちは差別される者ではなく、異界から来たハレの存在であったからだ。

この絵を見ていると、子どもたちのワクワクする感じが伝わってきて、心の深いところで癒される。ときどきむしょうにこのような絵を見たくなるときがある。17世紀あたりの、名前もよく知らないフランドルの画家が描く、民衆の姿である。