rapanse’s diary

ポストモダンの視点で絵画を楽しみ、沖縄のシマ社会と芸能を楽しむ

ゴッホと麦畑

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、1889年5月8日にサン・レミ(南フランス)の精神病院に入院する。この絵は入院後の6月に描かれたもので、タイトルは「麦畑(サン・レミの精神病院の裏、大きな雲)」となっている。

手前の麦畑は、少し色づいているものの、まだ青い麦だ。雲は麦畑に襲いかかろうとしている。麦が実ると麦畑は刈り取られる。ゴッホは自分が一粒の麦となり、収穫者に刈り取られる恐怖を描いているようだ。麦畑は波打っているのに、風の気配は感じられない。平穏な山脈の前で、麦畑だけがざわめいている。

世界が沈黙する中で、雲は神の指のように伸びてくる。神が五本の指を伸ばし、麦を刈り取ろうとしているかのようだ。

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